ゆにばーすばりました

味園ユニバースを3回観ました。

そろそろ感想を書いてもいいのではないかと思い、文字を打ってはみたものの、なかなか進まない。感想文を書くなんて中学生の夏休みの宿題以来ではないでしょうか。それくらい自分から望んでやってこなかったことを、あえてやってみようと思います。初主演の映画をやると決めたすばるくんのように。

以下内容に触れまくっています。




この映画を観ようと思った理由はすばるくんが初主演だからということが一番でした。そのため初めてみたときにはすばるくんが演じるポチ男や茂雄の動き、言葉、歌のひとつひとつに影響されて常に鳥肌が立っているような状態で物語に集中できなかったのです。雑誌やライブでここがカギとなるシーンなんだなとか、このシーンは撮影の時にこういうことがあったとか予備知識がたくさんあったからっていうのもあるかもしれません。一緒に観に行ったもてぃちゃんに心配されるレベルであったし、観終わった後もいろんな感情でぐったりでした。あーほとんにすばるくんが主演だった…すごい世の中だなあって。

それから2回見に行っていろんなところが観れるようになって、わたしはカスミの言動や行動から気持ちがわかるような気がしました。変に面倒見がよくてあまのじゃくな性格が似ているのかもしれない。

すばるくんのこのシーンとってもいいよね!というおはなしもしたいところではあるけれど、こういうことは大体すばるくんをすきな人たちが語ってくれていると思うから、わたしは二階堂ふみちゃん演じるカスミメインでわたしなりの感想を書くことにします。





カスミって基本的に素直になれない性格の女の子で、ポチ男の「ありがとう」に対する反応は特にそう感じます。だけど、ぶっきらぼうな言い方の中にも優しさが伝わってくるから、モテるというか悪いイメージは持たれないだろうなあ。
周りの大人たちが変に子供扱いしていなくて、対等に接しているのもこの性格になった理由のひとつじゃないでしょうか。彼女は誰かに甘えることはないだろうし、きっと苦手だと思う。

 

そんなカスミの態度は「わからん。わからんねん」の出来事から変わっていきます。ふたりで道に立つシーンでは「アンタはゆっくりやったらいいわ」って優しい言葉を初めてかけるし、おもちゃの銃を拾うポチ男に微笑みかけている。あの出来事でポチ男とちゃんと向き合おうって決めたような気がしました。

 

ポチ男ノートはどんな気持ちで書き始めたんだろう。あのノートってカスミの若さを感じることができて可愛い。それを喋るカスミも可愛い。「きゃー!どうする!!ポチ男!」ポチ男(茂雄)は違うけれど、本当にアイドルのすばるくんにアイドルをぶつけてきたこのシーンとってもすきです。

 

赤犬メンバーをカラオケボックスでポチ男がやる気にさせたとき、カスミは本当に嬉しかったんだろうなあ。一瞬にっこりした後に隠すけれど溢れるにっこりとした顔がそれを物語っていました。その後マンティコアでマキちゃんにお喋り。嬉しいことっておはなししたくなるものね。

マキちゃんに「アンタ変わったな。前より明るくなったんちゃうん?」と言われて、否定するカスミの気持ちもなんだかわかるのです。ポチ男がきっかけで変わったと認めたくない。だって気になってると思われるかもしれないから。そういうのではないから。みたいな。実際は歌声に魅了されていて、そこから気になっているけど気づいてない気づきたくないぐらいじゃないかなあってわたしは勝手に思っています。古い日記を歌うポチ男を熱中して見ていて、隣でそれを見ているロビンさんに気付いて見るのもやめるからね。



カスミがポチ男にどきってしただろうなーってシーンが2つあって、ひとつ目は「わからん。わからんねん」って肩を掴まれるところ。2つ目は4本指のお話をした後にさっと手をとられたところ。どちらもどきってするけれど、前者は痛いし、後者はその後ポチ男が的外れなこと言ってそういう流れにはならない。けれどもどきってなるカスミの表情がわたしはとてもすきでした。

 

ポチ男が古い日記を歌えなかった頃にはカスミはもうポチ男がいなくならないでいてほしくて、カラオケで歌っているポチ男を見たときに「電気代もばかにならん」って怒っているんだけれど、記憶を思い出さなければいいのにって気持ちが怒りに変わってたんだろうね。だからポチ男の「1本だけ。この歌しかない」って言葉を聞いた瞬間泣きそうな顔になって、次に複雑な顔をして歌うポチ男を見守ります。本人はとても思い出したがっている。でもわたしは…っていう想いがとっても伝わってきました。

でもカスミって寝て起きたら大抵のことは解決しちゃう基本ポジティブなタイプだと思う。赤犬のワンマンが決まった時にはもうくよくよしていなかったし、ポチ男に未来を考えるようにもっていこうとしているし。「過去がないなら未来を作ればいいだけのはなし。これで2本目。簡単やな」



高校に行っていないのは理由になるかわからないけれど、普段から大人たちと敬語を使わずに喋っているからか、カスミは基本的に初対面の人でも敬語を使わない。茂雄姉の旦那と話しているときに「なんで歌やめたん?」って聞いたのは一番気になったからだろうなあ。

家に帰る前にスタジオで事件のことを調べていたけれど、ここでカセットも聞いて古い日記が本当にポチ男の記憶のヒントになるのがわかってしまったから、その後渡さないし嘘ついたのかな。それともカスミが頭が良かったら、工場があると言ったらポチ男が出向いて思い出す、または何も知らないまま工場長にわーわー言われてダメになってしまうまで考えたかもしれない。

「それでもウチはアンタの歌が必要や」
カスミにしてはとても珍しい素直な言葉だった。思い出さないで、ずっとこのまま。思い出してもいなくならないで。という気持ちと一緒に。その後の種飛ばしでポチ男が意外と上手で意地を張っているカスミは本当に年相応だった。シリアスな空気もほどけていって、またポチ男とカスミの距離が縮まった気がしました。

ポチ男もカスミに笑いかけるようになって、仲良くなっているのがその後のポスター貼りのシーンでわかる。ハンバーガーの「トマト食われへんやろ?」はもしかしたら初めて気を遣われたんじゃないかな?カスミって恋愛の対象としてポチ男を見ているというかんじがしなくて、どちらかと言えばお母さん目線のような気がして、気遣いができるようになってる…!というような心境だったような気がするのです。見る人によってはこのシーンでカスミはきゅんってきて、なんだかその感情が悔しくてハンバーガーにかぶりついてるように見えるかもしれないですね。ちなみにわたしがそんなことされたらきゅんきゅんしてとりあえず公園ひとっ走りしちゃうくらいどうしたらいいかわからなくなりそうです。



茂雄が記憶を思い出して息子のところへ真っ先におもちゃの銃を持って行ったところでは、ポチ男はもしあのまま襲われていなかったら実家に向かっていたことがわかります。襲われて最後の一撃をくらう前におもちゃの銃に一生懸命手を伸ばしていて、置いて出てしまったものの息子のことはやっぱり気がかりだったのだろうと茂雄が暴力的な部分だけじゃないところも見えてきました。茂雄も良い人とは言い切れないんだけれど、完全に悪い人でもないんだよねきっと。別れた彼女との間に生まれた子どもを引き取っていて、工場で働いていた。もしかしたらお金が足りなくなってあの世界に足を踏み入れたのかもしれない。何も知らないポチ男の性格と考えると本当は優しくて可愛い人だと思うから、やりたいこと(歌うこと)を続けることができない葛藤とかお父さんの残した借金とかそういういろんな要因から選択を間違えて生きてしまっていたのではないかしら。

 

ここはわたしの勝手な想像なんですが、おそらくおつかいをポチ男に頼んだのに帰ってこないカスミは家に戻ります。すると2階でカセットを聞いているオジイを発見。カスミはカセットをちゃんと隠しておかなかったことを後悔するでしょう。ポチ男はもう戻ってこないかもしれないとマイナスな気持ちになりながらも明日の準備をしていたらショウがきたのかな。

 

「ポチ男…」「茂雄や」
ここで記憶を思い出したと感づいていながらカスミがポチ男と呼んだのは少し希望を込めていたのかもしれない。けれど本人の口から茂雄という名前が出てきてしまって本当に思い出してしまったんだ…って思い知らされてカスミは本当にショックだったと思います。



残されたショウはどうしたのか考えてみたのだけれど、とりあえず救急車は呼んだと思うけれど喋れるようになったときに組織のこといろいろ聞いたと思うのです。手がかりがショウにしかなくなってしまったからね。それでヒューマンサービスエージェンシーに辿りついて、どの段階でかはわからないけれどタクヤさんとコンタクトをとっているはず。少なくともタクヤさんがポチ男に仕事の電話をかけるまでには。タクヤさんは厄介な茂雄を消したい。カスミはそういう仕事をやめさせて、歌を歌わせたい。赤犬のライブに出したい。「わたしにあの男を処分させてください」みたいなことを頼んだかもしれない。でも突然現れた女の子にタクヤさんがそこまで協力的に信頼してくれるかは微妙です。だから最初は走馬灯のようにしようと思っていたと監督のおはなしを聞いたときに、なるほど、ここまで辻褄を合わせる必要もなかったのか~となりました(笑)



「カスミ…」「初めて呼んだな」
このときのカスミのセリフが映画を通して1番すきです。嬉しいような、嬉しくないような切ない気持ちにわたしもなりました。
あえてポチ男ノートも渡したのは希望を込めていたからでしょう。「戻ったら」をぐちゃぐちゃーってしているところをタカタカアキさんで消していたのはやっぱり見られたくなかったからかも。そのついでに写真もたくさん貼って楽しかったことや頑張って今日まで練習したことを忘れないでほしかったんだと思います。

 

わたしがこうであったらいいなと思う想像をすると、カスミは赤犬ライブのあの曲の時間で抜け出すって決めていた。手をぎゅっとしたのは、よし行くかっていう決意。タクヤさんが協力してくれて、仲間が迎えに来てくれたかもしれない。カスミもこの人たちを信用はしていないと思うけれど、利用しないとポチ男は連れ戻せないからやるしかないってなるはず。仲間が注意を引いている間にカスミが後ろからバットで殴る。もし駄目だったときのために仲間がいたのかもしれない。気絶した茂雄とカスミをまた会場まで運んでくれたのかなー…いい人過ぎる人たちですね(笑)あくまでわたしの想像なので詰めが甘いです。



「ポチ男…」「茂雄や」
この映画って同じことが2回出てくることが何個かあって、個人的にそういうのすきなんですよね。このやりとりだってそうだし、ポチ男が的外れなことを言ってカスミがどついたり、ポチ男が公園で顔洗ったり。

「ただ単純にウチが見たいだけや」
この言葉にはもう本当にやれることはやった…っていう気持ちがこもっていた。わたしが上に書いたような物語で話を進めていったら、カスミはポチ男を赤犬ライブで歌わせようとするために本当に疲れる1日を送っていてこの日の夜はぐっすり眠れただろうなって思いました。



最後のココロオドレバはポチ男でも茂雄でもなくすばるくん以外の何でもなかった。
あーよかったな。ありがとう。ありがとう。という気持ちでいっぱいでした。
間奏の笑顔がとても楽しそうで、ピアノのところでどこどこしているすばるくんが可愛すぎてもうね、ジタバタしたくなりますよね。映画館だから毎回我慢しますけれど。最後の地を蹴って♬でナイトサパーズさんたちと同じ動きしてヒデオさんと笑うすばるくんもすてきです。あと音楽が終わったときの笑顔も。やっぱりすばるくんの笑顔がわたしはすきだ。だいすきだ。目尻のしわのくぼみを指で押さえたい!!

だらーーこてっ
というかんじで最後に首を傾げて笑うすばるくんには「次はどうしましょう?」って言われているような気がして、その後に記憶が流れてもう胸がいっぱいいっぱいです。このシーンを最後に入れてくれた監督に本当に感謝です。ありがとうございました!!



すばるくんのおはなしをしたついでに言っておきたいんだけど、ツナ卵とじごはんつくってるときのマヨネーズかけてるのがまあ可愛いんだけど、47の広島でお好み焼きにマヨネーズかけるおーくらさんを思い出しまして臨場感…!!ってなったのはわたしだけでないはず。共感していただけた方はご一報お待ちしております。





以上、味園ユニバースを観ましたよというとっても長い報告でした。